憧れの古民家をセルフリノベーション♪島田市でかなえた新しい夢について先輩移住者に聞いてみた! 移住者ブログ番外編③

憧れの古民家をセルフリノベーション♪島田市でかなえた新しい夢について先輩移住者に聞いてみた! 移住者ブログ番外編③

憧れの古民家をセルフリノベーション♪島田市でかなえた新しい夢について先輩移住者に聞いてみた! 移住者ブログ番外編③

南アルプスへと続く山々や大井川に囲まれ、豊かな自然に恵まれた島田市。東海道の宿場町としての歴史や、伝統ある祭りも数多く残ります。そんな島田市では、各種補助金や相談窓口を設けるなど、移住・定住支援に力を入れています。

島田市へ移住し、古民家リノベーションにチャレンジされた先輩移住者・小栗さゆりさんにお話を伺いました。

憧れの古民家暮らしは“家への愛情”を大切に

憧れの古民家をセルフリノベーション♪島田市でかなえた新しい夢について先輩移住者に聞いてみた! 移住者ブログ番外編③

以前は仙台で暮らしていたという小栗さん一家。旦那さんのご両親が静岡県に住んでいたこともあり、2017年にUターンする形で島田市へ移住されました。
「仙台ではリフォームや設計などを手掛ける建築関係の会社に勤めていて、古民家再生にも関わったことがあったので、リノベーションに興味を持っていました。それでいざ移住するとなったので、せっかくなら新築ではなく古い家に住んでみたいなと思い、物件探しを始めました」。

物件探しには、主にインターネットを活用。島田市の移住支援サイト『住んでご島田』をチェックしたり、「空き家バンク」を眺めたり、時には古民家を扱っていそうな不動産会社に直接電話をかけ、物件を紹介してもらったこともあったそう。

 

<空き家バンクとは>
空き家などの物件情報を地方公共団体がホームページ上などで公開し、利用希望者等に情報提供する仕組みのこと。サイトに登録されている不動産データは、地域名や築年数、売買価格などの条件を指定して検索することができます。
➡︎島田市の空き家バンクはこちら(サイト内にリンクします。)

小栗さんが購入した古民家のリノベーション前の外観

小栗さんが購入した古民家のリノベーション前の外観

小栗さんが中古物件を探す中で大切にしたのが、その家でかつて“どんな人が、どんな風に暮らしていたのか”ということ。人柄を知ることで、物件への興味がより湧いてきたと言います。
「半年から1年くらいかけて探したんですが、なかなかピンとくる物件に出合えなくて、“もう家の購入はあきらめて、賃貸にしようかな……”と思っていたんです。そんな時に、ネットでふと見つけた物件にビビっときて。不動産会社さんに問い合わせて、現地を訪れました」。

以前その家に暮らしていたのは、とあるご高齢の女性。不動産会社の手厚いフォローもあり、移住後には女性とは電話で連絡をとり、実際に会って話すこともできたそう。「実際に物件を見てみると、ところどころリフォームされてるのが分かって。2、3年前には耐震工事も済んでいると聞いて、おばあちゃんが家を大切にされていたのが伝わってきたんです。それで購入を決めたら、その方をはじめ、いろんな方が私たちの移住をとても喜んでくださって、うれしかったです。」

田舎暮らしの問題に直面。見出したのは一棟貸しの宿

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購入した古民家の庭の様子

当時3歳だった息子さんを連れ、親子3人で島田市での移住生活がスタート。古民家はリフォームやリノベーションはせず、そのまま住み始めました。
「移住前は“この地域にうまくなじめなかったらどうしよう”と、不安や怖さがありました。でも、いざ住んでみたらそんな心配は無駄だったくらい。みなさんすごく適度な距離で接してくださいますし、とても居心地が良かったです。前に住んでいたおばあちゃんがとてもいい方だったので、近所の方ともよく話をされていたみたいで。“あのおばあちゃん、元気な方だったんですよ”と話題になることがあって、古民家に住んだことが地域の方とのコミュニケーションのきっかけにもなりました」。

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理想の古民家に胸躍る思いでしたが、田舎暮らし特有の不安も。近所にスーパーなどの店が少ないことや、将来息子さんが通う小学校へのアクセスに不便があることはある程度想定されていたそうですが、特に心配だったのが旦那さんの通勤の問題。
「夫の勤務地が自宅から遠く、仕事が想定外にハードだったので、夜遅くに山道をバイクで帰ってくるのが心配でした。サラリーマンでなければ暮らし続けることは可能だったかもしれませんが、そういった事情もあり、移住から半年ほどで島田市内の戸建ての借家へ引っ越すことになりました」。

残された古民家の使い道を思案していたところ、思い浮かんだのが民泊として活用すること。当時は民泊に関する法整備が進みつつある時期で、不動産活用の一手段として話題になっており、かつて建築関係の仕事をしていた小栗さんの頭にも、そのことが思い出されました。
「ずっと考えていたことを、タイミングが来たので実現させた、という感じです。古民家にはほとんど手を入れずに暮らしていたので、宿にするため、いよいよリノベーションをすることになりました」。

リノベーションのテーマは、「気兼ねなく旅を楽しめる宿」

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リノベーション中に開催した漆喰(しっくい)塗りワークショップの様子

古民家リノベーションは規模にもよりますが、内装など表面的な部分のみであれば1カ月ほどで完了することもあります。しかし、小栗さんは半年ほどかけてじっくりとリノベーションに取り組んだそう。家の構造部分や、電気・ガス・水道などはプロに任せつつ、小栗さんの持つ建築士の資格を生かして図面は自ら作成。住宅会社による工事が終わると、セルフリノベーションに取り掛かりました。
「DIYは、古民家にお化粧を施したり、お洋服を着せたりして飾り付けるような感覚でした。楽しかったですが、1人で作業をしていると、どうしても鬱々としてきて。慣れないながらも初めてのSNS発信をスタートしたのもこの時期です。DIYのワークショップを告知したら、参加してくださる方がいてうれしかったです。その方とは今でもお付き合いがあります」。
➡︎「熊のや」Instagramはこちら

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息子さんと外壁を塗る小栗さん

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子どもたちも参加した漆喰塗りワークショップの様子

セルフリノベーションを通しての思わぬ出会いに背中を押されながら、古民家と向き合う日々。時には息子さんの通う保育園の友だちがやってきて、壁を塗ったり、床に塗る蜜ろうワックスを手作りしたりと、楽しく作業が進みました。
みんなで作り上げた理想の宿は、2018年6月に無事オープンを迎えます。

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リノベーション後の和室

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リノベーション後の居間

古民家には和室が4部屋。かなり傷んでいた水回り以外は内装を整えるくらいでほとんど手は入れず、そのままの良さを生かしたそう。
「子どもが3歳の時にリノベーションしたのですが、以前住んでいた仙台ではアパート暮らしで子どもが自由に走ったり遊びまわったりできなくて。この宿ではそういうご家族が訪れた時、子どもが自由に走り回れる宿にしたくて、一棟貸し切りにしました」。

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リノベーション後のキッチン

「あとは、旅先でも子どもが普段から親しんでいるものを食べられるよう、自炊ができて、ホッと安心できる空間にしたくて。キッチンは対面式にして、3~4人が並んで自炊を楽しめるような場所にしました」。
“お母さん”の立場になって、こんな宿があったら家族みんなで楽しめるだろうな、という理想を詰め込んだ宿は「熊のや」と命名。小栗さんが願っていた通り、1歳にも満たない赤ちゃんを連れたご家族や、遊び盛りの子どもがたくさんの親戚一同で泊まりに来てもらえる温かな場所になりました。

無理をしない、自然体で過ごす移住生活

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アメリカからの留学生のみなさんが「熊のや」に宿泊された際の写真

「熊のや」には、日本全国はもとより、海外からの宿泊客が見えることも。
「今までの仕事では、仕事関係の人としか会うことはありませんでしたが、民泊を始めてからは普段縁のない方と会えるのが楽しいです。英語が話せなくても、何となくコミュニケーションがとれる瞬間があって、“明日はどこに行くの?”と尋ねたりして。南アフリカから宿泊に来られた時には、“本当にはるか遠くにも国があるんだ”とか、“ほかの国の人はこういう感じなんだ”とか、日常の中にそういった発見があるのは、やりがいの一つです」。

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休日には親子で川釣りへ

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河原でご飯を食べることも

また、島田市の移住生活を通して、町のちょうどよい規模感と、自然豊かな環境に魅力を感じているという小栗さん。
「子どもを山に連れて行ったり、大井川で遊んだりと、とにかくのびのび遊べる環境が子育てにもいいですし、役所に手続きに行くにも渋滞なしで行けてラクですね。島田市に移り住んでからは、自然に囲まれた暮らしの中で、季節の移り変わりを感じられるようになりました。ただし、どんな土地にも言えることだと思いますが、全ての人におすすめできるというわけではなくて、合う人、合わない人はいると思います。自分に合うかどうかは、実際に訪れて判断するのが一番大切だと思いますね」。

「熊のや」外観

「熊のや」外観

最初は少なからず不安もあったという移住生活。周囲の人の、温かで心地よい距離感や空気感を通して感じたことは、「“輪に溶け込まないと!”とか、“みんなと話をしないと!”と無理に頑張らなくていいんだということ。いつも自然体で、“みんなのことを大切に思っています”という気持ちがあれば、自然と溶け込んでいけるものだと思います」。

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2021年には、金谷の街道沿いに新たな古民家を購入した小栗さん。新型コロナウイルスの影響やご自身の事情が重なり、2年かけてリノベーションが完了。取材時の2023年2月からは、新たに内装のDIYを進行中です。「半分は自宅、半分は宿にできたらいいなと思っているんです」と、次なる計画に胸を高鳴らせます。島田市への移住でかなえた夢は、まだまだ果てしなく広がり続けています。

➡︎「熊のや」公式HPはこちら

➡︎小栗さんも出演されている「静岡県島田市 移住定住インタビュー動画『住んでご島田』-Full ver.」はこちら

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